こんな綺麗な景色が見えるのに、こんな綺麗な花が見えるのに!
・・・岬の先端で強風に煽られ、進もうか帰ろうかと迷っていた。
経験したことのない強風への恐怖とその先がわからない不安から、「引き返そう」という思いが強くなる。
自分一人しかいない。風に飛ばされるかもしれない。飛ばされてみようか。死んだら誰か悲しんでくれるかな。
息が苦しくなってきた。ここに本当に来たかったのかな。誰かみつけてくれるかな。この先ももっとひどいに違いない。
などなど、だんだん不安が大きくなる。
「あっ!」向こうから進んでくる人がいる。
恥を忍んで頼んでみよう。
「後ろついてっていいですか?」(家、ついてっていいですか、の真似か??いえいえ、必死のお願いです)
「どうぞ、僕は、何回か来ているのですが、これぐれいは、大丈夫ですよ。」(ああ、ええ人や)
「・・・。よろしくお願いします。」
お蔭様で、無事にきれいな景色を見ることができ、ご一緒させていただいた方との楽しいときをすごすことができた。
「ありがとうございました。連絡先も聞いておらずに失礼しました。」
経験したことのない恐怖への不安定な心の揺れ。少しであれば、ワクワクとスリルを味わえ楽しい。
しかし、大きすぎれば、マイナス思考にしかいかない。
踏みとどまる事が必要なときもあるが、前へ進むには、冷静に判断しなければいけない。
この数ヶ月、コロナで問題になっている他人への差別や中傷、これも恐怖と不安の大きさゆえであろうか。
自分だけで、持ちきれない「怖い」が、他の人に向かっていってしますのであろうか。