やっと水面をみることができた。
摩周ブルーといわれるきれいな青に空の姿を映している。
風で湖面の一部が小さな波模様を打っている。
40年ほど前を思い出す。
青いGSX(バイク)での8月約3週間の北海道旅。
携帯も情報も少なく、前泊の宿や休憩に立ち寄った食堂で情報を得る。
何人かに聞いた。「摩周湖は美しい湖!」どうしても見てみたい。
1回目のTRY。その日は小雨が降っていた。展望台へ通じる上り道路近いJR駅付近の喫茶店で昼食を食べた。
夏なのに寒い。さすが北海道だと思いつつ店内をみると、ストーブがつけてあった。そこから出るのに勇気がいった。
上りの道路では、観光バスと乗用車が列をなし、バイクといえども横を刷り抜けることができなかった。
観光バスの排気が顔近くにかかって気分が悪い。クラッチの左手は、寒さと切り替えの多さで麻痺しそうだった。
やっと展望についた。雨は何とか止んでいるが、湖面は見えない。分厚い霧に覆われてまったく見えなかった。
2日目のTRY。日を改めて、裏の展望台へ行ったが、ここでも見えるのは霧のみ。
霧の摩周湖とはよくいったものだ・・・ずっと心に残っていた。
それから、2度ほど家族と摩周湖を訪れたが、やはり湖面は見えなかった。
40年の時を経て、今回やっと見ることができた。
あのときと同じ一人旅ではあるが、電車とバス。チャンスは1回のみ。
見れた!見れた!
<種明かし>
摩周湖の温度は1年を通じてそれほど高くはならない。夏は、外気温が高くなり温度差で霧が発生しやすくなる。地元の人は、摩周湖の湖面が見えることが多くなれば、秋がきたと判断するらしい。
今回の訪問は秋だが、湖面が見ることができなかったときの訪問時期はいずれも夏だった。
そうだったのか!!